初釜
お稽古先の初釜に合わせてのれんを新調していただきました。 習い始めて10年程経つのですが毎回何かしら学ぶ事があります。 先日のお稽古の際は先生がお棚に飾ってある茶入が小さく棚とのバランスが良くないと、ひとまわり大きい茶入と変えていらっしゃいました。...
基本
この秋、のれんもいろいろ作らせていただいて色やデザイン、使い方も様々でどれも素敵でとても面白かった。 写真はそんな中のひとつ。 小幅の手績み、手織りの麻生地を耳使い 柿渋染め 手書き文字の染め抜き 文字の配置 のれんの基本中の基本の様な仕様だが...
苧麻の帯
夏も終わりになる頃になってしまいましたが、苧麻帯地の制作についてです。 薄い墨染の上に、ブルー、グリーン系数種類の色合いを重ねて立体感を出しています。ブルー系の色味を何種類か使用していますが、微差過ぎるので、写真で分からないのが残念。 白系の夏着物に合いそうです。...
引き染め
引き染めは染める前も後も気を遣う場面が多々ある。 染め終わって乾燥させる時もそのひとつ。 染めた後乾燥していない時は生地に色素が定着していないので生地の中の水の動きに乗って色素が動いてしまう。 なので吊ってある生地が傾いているとそちらに色が寄ってしまったり...
墨染の麻帯
暦は大暑。 夏らしい日が続いています。 少し遅ればせながら麻帯が仕立て上がってきました。 地は墨で染め、中濃度のグレー。単色ながらも手績みの麻と掛け合わせが良く、深い味わいに仕上がりました。 存在の厚さで言えば、季節は夏に限らず、春〜初秋にかけ、紬の着物なんかとも相性が良さ...
苧麻布
苧麻の手績み糸は硬く柔軟性があまりない。 なので縦、緯糸とも手績み糸で織ると糸同士が密着せず隙間ができる。 この隙間が程良い透け感をだし、見た目にも涼しさを演出してくれる。 のれんだとうっすら覗く向こう側に入ってみたいという気を起こさせる。...
着物考 その五 誂えの時間
暦は小暑。しばらく暑い日が続く夏らしい季節ですが、着物を誂える時間軸で考えると、シーズンは秋、冬、もしかしたら年をまたいでのイベントに合わせたり、何年か先の行事に向けてなど、さまざまであると思います。 夏物であっても、来年にはこういった着物を着てみたいなども、あるかもしれま...
着物考 その四 ゆかたがわり
今年も当然のように猛暑の夏がやってきました。 着物も気候に合わせ、着用においての決まりごとは柔軟にならざる得ないところです。 「ゆかたがわり」という言葉があります。元々は浦澤月子さんの著書の中で見つけました。 暑い中、おしゃれも大変なので涼しげに気楽に装いましたという着物の...
苧麻
前回も触れたのだけど手績みの苧麻の話。 苧麻や大麻は縄文時代から木綿の栽培が普及する江戸時代頃まで布などの素材としてよく使われた。 正倉院展でも上着や肌着など毎回なにかしら展示されている。 苧麻は現代でも線路脇や土手など身近な所にわりと生えている。...
着物考 その三 四十路コーディネート
四十路を迎えたら、着物を見る目が変わったようだ。じわじわくる変化ではなく、急なものである。 加齢によりコーディネートに足し算が増えて、年齢としても許される範囲が広がったのだ、と考えている。 着物は何歳になっても着れるからいいと聞くことがあるが、実はそうでもないことが着てみる...