着物考 そのニ 沼地
これから着物を着てみたい方に先に断りを入れておくと、着物は沼であると申し上げたい。 最初は恐る恐る足を踏み入れても慣れというのは恐ろしい。気がつくと足元どっぷり沼にハマっている。 ひとつには自分好みを見つけ出すには時間がかかるというのがある。洋装の好みはわかっても、和装とな...
甲府の街
以前の「はじまり」と言う投稿で載せた古い集合写真は75年程前の甲府の連雀問屋街。中心に座っているのが初代の私の曽祖父で、祖父は当時戦争で出兵していたので写っていない。 数年前に道路拡張の為曽祖父の家は取り壊されたのだがその際発掘調査が行われ、それを見に行った。発掘されたのは...
着物考
数年前に黒の長羽織を誂えた。 紋屋にいると言うことが大きな理由の一つかもしれないが、過去に何度も流行り廃りのある黒の羽織を、そうだと知らなければ今の着こなしに目新しく感じたということがあった。 着用する場は限られるが、一つ紋を入れて貰った。...
祝い着
我が子が生まれた時、お宮参り用にオリジナルの祝着を作った。 着物自体は小さいものなので柄は入れずぼかしのみでシンプルに、その分背紋を紋屋としてこだわろうと決め、まず日々の服の似合う色の系統から着物の地色は青みのピンク、裾には足長のぼかしを紫で入れ、背紋は定紋の周りを誕生花の...