top of page

苧麻

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 2022年6月22日
  • 読了時間: 2分

前回も触れたのだけど手績みの苧麻の話。

苧麻や大麻は縄文時代から木綿の栽培が普及する江戸時代頃まで布などの素材としてよく使われた。

正倉院展でも上着や肌着など毎回なにかしら展示されている。

苧麻は現代でも線路脇や土手など身近な所にわりと生えている。

繊維は茎の芯と外皮の間にあり、他の植物の繊維は取り出すのに発酵や灰汁だきをしなくてはならないが苧麻は水につけるだけですぐ取り出せる。

苧麻が広く普及したのはそれらが要因だと思う。

取り出したばかりの繊維は光沢のある薄緑でとても清々しい色。

苧麻は麻の中でも特に強く硬い。麻を扱う工房にいた頃は人差し指と親指の指紋が無くなった程だ。

伸び縮みもしないので織る際も居座機(いざりばた)という織り手が腰を使って経糸の張りを調節する機で織られる。

繊維の取り出し方や糸の作り方、織り方は奈良時代頃から江戸時代までほぼ変わっていない。

苧麻布が衣類に使われ始めた頃は硬く着づらいものだったと思う。

時代を経て栽培の仕方や繊維の選別、それに打つ、晒す、踏む、アルカリで炊くなどの各産地独自の加工により、薄くさらりとした「上布」という夏用の着心地の良い布まで作られる様になっていった。

これらの技術もやはり江戸時代に頂点を迎え、木綿の普及や明治期の機械化で麻も紡績糸が主になり「手績み」は生活の一部から伝統工芸の世界のものになっていった。




最新記事

すべて表示

Comments


The latest news

アーカイブ

カテゴリー

西染物店のお知らせをお送りいたします。ご希望の方は下記よりご登録ください。

  • Facebook - Grey Circle
  • Instagram - Grey Circle

西染物店: 〒400-0857 山梨県甲府市幸町7-8 

E-mail: 24some@gmail.com

https://nishisome.co

西紋店・西染物店はそれぞれ小さな工房です。

お約束なしのご来訪は、外出している場合や、制作中の時間はご対応できない可能性がございます。

ご来訪はご予約制とさせていただきますので、

​メールかお電話にて、予めご一報ご連絡をいただきますようお願い申し上げます。

© 2024西染物店 all right reserved.

bottom of page