

色無地の着物のお誂え そのあと。
前回の続きです。 染めは生地を張木と伸子という道具で縦横にピンと張り、端からハケで染料を塗っていく引染という方法で染めます。絹の場合は特にですがゆっくりと染めていると難がでるので素早く均一に染料を引いていきます。 乾燥後蒸し、水洗い、巾を整えて紋入れへ。 紋入れはまず防染糊を落とします。そして紋の形に白く抜けた部分へ筆を使いしべを描き込んだり色を加えたりします。 仕立てて頂き出来上がりです。 八掛の色との組み合わせでも様々な雰囲気が作れるのも誂えの楽しみのひとつかと思います。奥ゆかしく落ち着いた感じにあがりました。 こちらのお客様はこの白生地を頂いた方の法事へ着て行くためのお誂えでした。昔は母から娘へや親愛なる人へ白生地を渡すことがあった様です。 頂いた生地を「着る」ということがその方の思いを素肌で感じられる、身体がその思いで包まれるというお守りの様な感じもあったのかと思います。 頂いた生地を染める、そこに祖先への敬いと自分を表す家紋をひとつ。それを着て法事へ。 シンプルな様で思いはとても深く、このお客様の粋で凛とした着姿を思うと何かとてもしみじ


色無地のきもののお誂え
先日一つ紋の色無地の着物の染めをご依頼頂きましたのでその工程をご紹介します。 まず色見本よりお好きな色をお選び頂きます。そして実際の生地にその色や濃度のうすい色、ちょっと赤いもの、青いものなど数パターンを試染します。再度その中からイメージに合う色を選んで頂きます。生地や色見本の大きさで同じ色でも印象がかなり変わってくるのでこの辺りは慎重に進めていきます。せっかくのお誂えですので気に入って長く着て頂けるものを作りたいので何度か打ち合わせを重ねます。 色が決まりましたら紋を入れる部分に紋の形に糊をおいて染まらない様に防染します。この方法はもっとも格が高い紋入れの方法でもともとの生地の色が残るので着物と馴染むのですが染め抜いているのでくっきりみえるというとても風格のある紋になります。 糊が乾燥したら綺麗に染まる様に生地全体に前処理をして染めに入っていきます。(次回へ続く)


3月のふるまい湯
先週末は山梨市の岩下温泉さんのふるまい湯に出店しました。 風情ある建物や温泉に様々な出店やワークショップで今回も大変な賑わいでした。 こちらの若旦那と若女将さん、手仕事を大事にしてくれ洒落もわかるご夫妻で今回も前掛やハンドタオルを作らせて頂きました。 岩下温泉は1300年の歴史がある冷泉で建物も文化財に指定されており夏には蛍も飛ぶとても旅情を感じれるおすすめの場所です。