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祝い着


我が子が生まれた時、お宮参り用にオリジナルの祝着を作った。


着物自体は小さいものなので柄は入れずぼかしのみでシンプルに、その分背紋を紋屋としてこだわろうと決め、まず日々の服の似合う色の系統から着物の地色は青みのピンク、裾には足長のぼかしを紫で入れ、背紋は定紋の周りを誕生花の待雪草で飾ることにした。


「待雪草は春一番に咲く花で花言葉が希望だなんてとても良いな」とか「花の様子がしおらしくてこんな女性になってほしいな」とか「背紋の花は3輪もすっきりしていて良いが5輪の方が華やかで人に恵まれるそうだから良いかな」などと親心を込めデザインが決まっていった。

腕によりをかけて着物を染め、紋部分は白抜きにし、父に上絵で紋と彩色と金彩を、ふっくらと柔らかい立体感を出すために数カ所母に刺繍をしてもらい仕上がった。


ただ紺屋の白袴という言葉通り自家用は後回しになりがちで結局出来上がったのは1歳を過ぎてからになってしまった。

なのでお宮参りの写真といえばまだ目も開かない子が祝着を掛けてもらって祖母に抱かれて写っている事が多いが

我が家は祝着を巻き付けたそこそこ大きな子が上体を起こしてしっかりカメラ目線で写っている。





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