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色無地の着物のお誂え そのあと。

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 2017年3月21日
  • 読了時間: 2分

前回の続きです。

染めは生地を張木と伸子という道具で縦横にピンと張り、端からハケで染料を塗っていく引染という方法で染めます。絹の場合は特にですがゆっくりと染めていると難がでるので素早く均一に染料を引いていきます。

乾燥後蒸し、水洗い、巾を整えて紋入れへ。

紋入れはまず防染糊を落とします。そして紋の形に白く抜けた部分へ筆を使いしべを描き込んだり色を加えたりします。

仕立てて頂き出来上がりです。

八掛の色との組み合わせでも様々な雰囲気が作れるのも誂えの楽しみのひとつかと思います。奥ゆかしく落ち着いた感じにあがりました。

こちらのお客様はこの白生地を頂いた方の法事へ着て行くためのお誂えでした。昔は母から娘へや親愛なる人へ白生地を渡すことがあった様です。

頂いた生地を「着る」ということがその方の思いを素肌で感じられる、身体がその思いで包まれるというお守りの様な感じもあったのかと思います。

頂いた生地を染める、そこに祖先への敬いと自分を表す家紋をひとつ。それを着て法事へ。

シンプルな様で思いはとても深く、このお客様の粋で凛とした着姿を思うと何かとてもしみじみとしました。

時間軸が昔と違うので日常では着物は着にくくなってしまっていますし、ゆっくり思いをはせるという時などなかなかとれない時代です。

そんな時だからこそ特別な時のためのじっくりと思いを込められるものづくり大切にしていきたいと思えたお仕事でした。

 
 
 

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