紺屋の明後日
「紺屋の明後日」とか「紺屋の白袴」ということばがある。
紺屋とは染物屋のことで、両方ともルーズな感じの意味で私にもかなり当てはまってしまう。
ルーズさの原因は私の性分もあるが天候による部分もある。
引き染めの作業は気温と湿度にとにかく左右される。
暑くても寒くても、湿度が高くても低くても良くない。
人が過ごしやすい位が染めにも丁度よい。
ある程度は温度、湿度、染め方を調整してかかるのだが予定通りに進まず遅れてしまう事もままある。この辺りが「紺屋の明後日」の元だと思う。
昔ながらの材料ややり方は特に天気に左右される。
現代の技術ならやり方や天候などの作業環境も数値化データ化して適した環境に制御することなどもできるのだろう。
ただ手仕事は季節などに応じてそれぞれの職人が言葉で説明できない、数値化もできない「勘」でやる部分があるから一見同じ様なものでもそれぞれの個性がでて、面白みの一因になるのだ。
勘が外れて失敗する事もあるが失敗したと思ったものが意外と面白く、新しい柄になったりする事もある。
浴衣の茄子柄や、手ぬぐいの蓮の花は、そんな中から出来上がっている。
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